
NECビッグローブはロフトワークとの共催で、全5回にわたる無料セミナー「Webエンゲージメントセミナー」を順次開催しています。第4回目となるセミナー(2011年1月18日)を前に、当日のスピーカー陣がリレー形式でメール座談会を実施しました。
諏訪:アクセス解析はウェブやマーケティングに関わる人なら誰もが聞いた事があるはず。今回はWeb戦略の大家である楽天清水さん、そして国内有数のWEBプ ラットフォームを提供するビッグローブ大村さん、そして私の3人のメール座談会という形でアクセス解析のHowToやポイントをアクセス解析だけではなく エンゲージメントまで広げてお伝えしようと思います。皆さんよろしくおねがいします。
株式会社ロフトワーク 代表取締役 諏訪光洋
楽天株式会社 編成部 Web解析・最適化推進リーダー 清水誠
NECビッグローブ株式会社 ビジネスサービス事業部 Webインテグレーション部 主任 大村剛士
清水:
はい、楽天グループ全体のアクセス解析を推進・サポートしている清水です。
そうなんです。ページビューやユニークユーザー数、人気コンテンツ、検索キーワードなどが分かったところで、次のアクションには結びつかないんですよね。リアルな店舗を経営しているとして、昨日の来客数は100人だった、という数字だけが分かってもあまり意味がないのと同じです。何か集客の施策を打った結果なのか?100人の内訳は?属性に違いはあるのか?売り上げへの影響は?新規と既存の割合は?昨日、前月、前年度との対比は?結果だけではなく、原因を特定できないと、次に活かせません。
アクセス解析ツールは、どんなに多機能で高性能なものであっても、導入しただけでは大きな発見やヒントは得られません。そもそも、何を知る必要があるのか?その結果をどう解釈するつもりなのか?
分かることではなく、知りたいことを知る。知りたいことを知るための各種データを計測するために、どのツールが最適なのか?CMSなど他のツール導入と同じで、要件をちゃんと定義する必要がある。
例えば、SiteCatalystというツールがありますが、このツールは、カスタマイズを前提としたツールのため、そのまま何もしないで導入しても意味があるデータを取得できません。その代わり、使えるカスタム変数の数が150もあり、高度な設定も可能です。一部の顧客しか使わない機能を実装してしまうと、サーバー側のディスク容量やCPUリソースが無駄になる、という意見をUSの担当の人から聞いたことがあります。
一方、Google Analyticsは多機能で、そのまま入れるだけでも色々なデータが取得でき、クロス集計やセグメント化が可能です。最近リリースされたページ分析のように、ユニークな機能も次々と追加されます。ただし、使えるカスタム変数は少なく、変更できる設定の選択肢も少なめです。標準機能とちょっとしたカスタマイズで要件が満たされる場合には、便利なツールです。
知りたいことを知るためには、計測や分析の仕組みが必要なのです。標準機能で対応できない場合には、機能を独自に作り込んだり、解析ツールをカスタマイズしたり、得られたデータを別のツールで処理したり、と対策が必要になります。
つまり、受けの分析ではなく、攻めの分析に切り替える必要があります。
大村:
NEC BIGLOBEの大村と申します。よろしくお願いします。
私は普段、特にサイトのリニューアルやCMS導入の提案から構築まで行っています。
先ほど、諏訪さんが「もしアンケートをとってみたら?」というお話がありましたが、実は約2年前、NECビッグローブが自社調査で300社くらいのお客様に電話アンケートをとったことがあります。「アクセス解析ツールをどのくらい使いこなしていますか?」という質問に、「自信を持って使いこなしている」という回答は約20%でした。あくまでも主観的な回答ですが、諏訪さん、かなり近い数字を予想されています。
その当時からアクセス解析の重要性は高まっていて、我々もそれに答えるようなサービスをご提供していますが、みなさんアクセス解析ツールの導入はかなり進んでいるのにも関わらず、サイトリニューアルのきっかけが、いまだに「なんとなくデザインを変更したら良くなるに違いない」という理由が多いことに、驚いています。
そういったお客様とのやりとりはこんな感じです。
大村「アクセス解析はされていらっしゃいますか?」
お客様「まあ入れてはいるんだけど、そんなに詳しくは見てないけどね・・」
大村「ちなみに現在のサイトで抱えていらっしゃる課題はございますか?」
お客様「問い合わせをもっと増やしたいんですよね・・」
大村「現在のサイトはどのくらいの割合の方がお問い合わせに結びついているので しょうか」
お客様「今は・・・減ってます。」
これは決して珍しい例ではなく、今のサイトのどこに問題があるかを把握されていない企業様はまだまだ非常に多くいらっしゃいます。
ですのでサトリニューアルのお話が来ても、ほとんどの場合“サイトの現状分析”からご提案させていただくことが多く、
・アクセス解析(Before)→サイトリニューアル→アクセス解析(After)
のような流れになっていきます。
あ、「攻めの分析」に入る前のお話になってしまいました・・・。
諏訪: 清水さん、大村さんありがとうございます。
「まだまだ成果を生む為に有効に、アクセス解析を活かしている企業は少ない」
という状況が多いのは間違いないでしょう。
でも2010年、多くの企業の担当者の方がアクセス解析に真剣に取り組まれた1年だったと思います。たくさんの勉強会やサイトの情報、ウェブ上の情報も随分増えましたし成功事例も増えてきました。
企業の多くはまだ戦略的に取り組むところまではいっていないけれど、押さえるべき数字は押さえている。これからいよいよ「攻め」のアクセス解析が出来る環境をつくりはじめている、そんな印象があります。
一方で「エンゲージメント」という言葉は企業におけるコミュニケーションの方向性の中でますます重要になりつつあります。
エンゲージメントは一言で言うなら企業と顧客を含めた全てのステークホルダーとの「対話」。いかに真剣に透明性の高い対話を頻繁に行うか、そしてそれがいかに企業に求められているか、という事がエンゲージメントという言葉で表されています。
対話はTwitterによる担当者とのダイレクトなコミュニケーションやフォームからの定性データ、営業部門からのメッセージだけではありません。アクセス解析から生まれる自社サイトのアクセスデータはユーザーや顧客、株主の「声ならぬ声」なのです。Twitter等で交わされる「小さなエンゲージメント」と比較すると、サイトでの情報発信とアクセスデータは「大きなエンゲージメント」。アクセスデータは企業のコミュニケーション戦略を決める上で欠かせない声なのです。
アクセスデータをしっかり読み解けば、顧客はいったい何を望んでいるのか、サイトへ不満があるのかあるいはサービスへ不満があるのかさまざまな事が「聞こえる」ようになります。
次回のWebエンゲージメントセミナー(1月18日開催)では企業の今おかれている環境と今後の流れを踏まえ、私がアクセス解析とエンゲージメントのより深い関係性と役割を。そして清水さんはより戦略的で具体的なアクセス解析の活用方、ビッグローブの大村さんには具体的に何から手を付ければよいのか、その体制作りを成功した企業の事例を踏まえてお伝えいただきます。
おたのしみに!
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